ごあいさつ

 多くの県民の願いと夢と共に、宮城県立こども病院は平成15年11月に開院されました。こども病院の理念は「すべての子どもにいのちの輝きを」であり、子どもの成長に応じた総合的な医療を提供し、すべての子どもが生きる喜びを感じ、いのちを輝かせることができる病院づくりを目指しました。その契機をとらえ、私たちのNPO法人「ワンダー・ポケット」が生まれました。

 私たちの理念は、こども病院を含めた「すべての子どもにいのちの輝きを」であり、より大きな観点で支援していくことです。

 私たちは、楽しい遊びや心豊かなふれあいのある心地よい環境の中で、子どもが幸せな時間に満たされ、あるがままの自分を表現し、生きていくことが大切と考えています。病気の子どものご両親や兄弟姉妹は、経験のない実生活上での問題や心理的な難しい問題に直面しています。私たちは、そのご家族が少しでも安心して毎日を過ごせるようにサポートしたいと考えています。さらに、子どものために働いている医療スタッフが、より質の高い医療サービスを提供できるように、支援していきたいと考えています。

 私たちは、「ワンダー・ポケット」の理念を実現するために、今日まで多様な活動を展開してきました。今後はこれまでの実績を糧に、幅広い参加を県民に呼びかけ、皆さまのご理解とご協力を賜り、円滑な活動のための人的および財政的な支援をお願いしていきます。

 私たちは、病気の子どもと共に歩み続けている「親の会」や他の関係団体と積極的な連携をはかり、病気の子どもが一人の権利主体として受け入れられ、その尊厳が重んじられる社会を実現するために活動を続けることを再び宣言します。


理事長より


                        新理事長あいさつ
                                     理事長 田澤 雄作 

 最初に、前理事長の故伊達篤郎さんの御冥福を祈りつつ、伊達篤郎さんのワンダーポケットの設立と今日までのかけがえのない御理解と御尽力に対して、心からの感謝を重ねてささげます。最後の最後までワンダーポケットを大切にしていただきました。ありがとうございます。

 私は、伊達篤郎さんの急逝に際し、伊達篤郎さんのご意志を汲む大勢の皆さまの歩みをとどめてはならないと考え、理事長の職務を速やかにお引き受けしました。今後の皆さまのご協力を心からお願い申し上げる次第です。

 さて、ワンダーポケットもおかげさまで5年目をむかえ、子どもの成長でみてみますと、身長が100センチ、すっと立ち上がり、何でも一人前のように振る舞える年齢に達しました。いわゆる優美な年齢を迎えています。しかし見た目には成長しましたが、まだまだです。「すべての子どもに命の輝きを」を理念とし、入院している子どもたちのための支援、看護するご両親ほかの皆様ヘの支援、そしてボランチィアのための支援を引き続き実践していこうと思っています。

 今年5月に開設された病気のお子さんとご家族のための滞在施設「ラッコハウス」を新たな起点とし、わたしたちのワンダーポケットも、子供達と共に、健やかに成長することを願っています。

略歴:国立病院機構仙台医療センター成育医療センター小児科・部長/東北大学医学部・臨床教授/日本小児科医会「子どもとメディア」対策委員会・副委員長/日本小児科学会「学校保健・心の問題」委員会・副委員長

著書:「ぼくの病気はいつなおるの?:ツヨシ君のいちばん聞きたいこと」(絵本)米子今井書店/「いま、子どもたちがあぶない!」(共著)古今社/「テレビ画面の幻想と弊害:むかつくキレル・不登校の彼方にあるもの」悠飛社.